ツバメの巣立ちまでの期間は?巣立った後の過酷な運命とは

ツバメが巣作りをし子育てをしてから巣立ちするまで、どのくらいの期間が必要なのかご存知ですか?

ツバメは子育てを始める季節に向けて巣作りをし、準備万端にして卵を暖めますが、巣立ちまでどのくらいの期間なのでしょうか。

ツバメは巣立ってからが大変です。
巣立ちを見守り、また次に来てくれるのを静かに待ちましょう。

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ツバメが生まれてから巣立ちまでに要する期間は?

ツバメは夏鳥、繁殖のために日本へやってくる

暖かい場所を探して日本では主に九州以北に訪れる鳥です。

おもに泥を材料にして、おわん型のしっかりとした巣を作ることでも有名なツバメですが、巣作りを開始するのは春になった4月頃から7月頃。

約1週間かけて完成した巣の中に、卵を産みます。

全部で3~7個の卵を産むことが多いツバメは、最後の卵を産み終わると、卵の上に座って自分の体温で卵を温めるのです。

これを抱卵と呼びます。

抱卵はツバメのメス(母親)が基本的に行いますが、餌を探しに行ったり、水飲みなどでメスが巣を離れる時は、オス(父親)が代わりに行います。

人間と同じで、ツバメのパパもイクメンなんですね。

卵を温め始めてからひなが生まれるまでは、2週間という時間がかかります。

その間、ツバメは巣の中でじっと卵を温め続けます。

生まれたてのヒナは、親から餌をもらうために大きな口を開けてピイピイと鳴きながら巣の中で待っています。

この様子は、見ていてとても微笑ましいものですよね。

そして、餌を食べて成長したヒナが巣立つまでは20日程度の日数がかかります。

これらのことを踏まえると、ツバメが巣を作ってから巣立つまでは約6週間かかるということが言えます。

ツバメは生まれてから巣立ちまでの期間生き残るのは稀

ツバメの平均寿命はとても短い

鳥の平均寿命は、体の大きさに比例していると言われています。

ツバメの平均寿命は約1年半という驚くべきデータが出ています。

他の鳥と比べても平均寿命が短いツバメ、この原因としてツバメの体自体が小さいということもありますが、大きな原因としては天敵に襲われたり、巣から落ちてしまったりなどで成長する前に命を落としてしまうことが多いということが言えます。

ツバメが産卵の時には3~7個の卵を産みますが、これらのすべての卵が無事にかえり、巣立っていくことは稀なのです。

多くのツバメは、天敵である猫や蛇、カラスなどに襲われてしまうことが多く、巣立つ間もなく命を落としてしまうことがあるのです。

無事巣立ってからも、まだ飛び方も上手ではなく人間でいうとヨチヨチ歩きのような状態のツバメは、大きな鳥たち(カラスやワシ、ハヤブサなど)の獲物になってしまうことも。

小さなツバメは、生まれてから成長するまでに厳しい環境を生き抜くということが必要になります。

この過酷な環境を生き抜いた生命力の強いツバメの中には、10年近く生きているツバメがいることも確認されています。

巣立ち期間が終了したツバメはどうなるの?

ツバメの巣立ちという特別な瞬間に立ち会ったことがある人も、中にはいるのではないでしょうか。

ツバメの巣作りは、一般的に建造物の中に作られることが多いので、自分の家の軒先に作っていたということもよくある話です。

初めて巣立つツバメは、赤ちゃんが初めて一歩を踏み出す瞬間にも似ています。

「よし!やるぞ!」という気合いを胸に秘め、足を震わせながらも空へ飛び立とうと頑張るのです。

しかし、初めから長く飛ぶことは出来ないので、親ツバメの姿を見ながら子ツバメは一生懸命に飛ぶためのトレーニングを何回も繰り返し積むのです。

トレーニング期間が終わり、自信がついた子ツバメから順番に巣から飛び立ち、南へ向かいます。

育児に熱心なツバメなので、子ツバメを誘導して一緒に南へ向かうのでは?と思いがちですが、親ツバメは先に南へ向かってしまうようです。

ツバメが巣立ったあと、残された巣は特別な事情がない限り残しておくことがおすすめです。

ツバメは帰巣本能が強い鳥なので、また来年も戻ってくる可能性もあります。

また、ツバメの作った巣はとても頑丈な作りなので、別のツバメが再利用するということもあるようです。

巣立ち後のツバメの生存率はどのくらい?

ツバメは、生まれながらにすぐに飛べる訳ではありません。

人間と同じで、何度も練習を繰り返し、飛び方や餌の取り方を学んで覚えていくのです。
この間の、卵からヒナ、そして巣立ち間もない若いツバメが半年後渡りまでに生き残っている確率は、わずか13%なのです。

ほとんどが途中で、天敵に襲われたりして命を落としてしまうツバメ。

生存をかけた厳しいサバイバルで、無事生き残れるツバメはごくわずかです。

ツバメの巣に次の年もツバメが来たら、同じツバメじゃないかと思ってしまいますが、このツバメの生存率や平均寿命を考えると、同じツバメである可能性は少ないということが言えます。

毎年ツバメが来るような場合でも、平均寿命を踏まえると、同じペアということは稀で、9割近くが違うペアで繁殖しているという調査結果が出ています。

ツバメの生まれから巣立ちまで見たい!巣を作りやすい場所とは?

ツバメの気持ちになって考えると、特に襲われやすい卵~ヒナの間は、親として子どもを命がけで守りたいものですよね。

ツバメは、人通りが多いところに好んで巣を作る習性がありますが、これは人通りが少ないところでは天敵に襲われる可能性が高くなるからなのです。

ツバメは本能的に、襲う動物と襲わない動物を見分ける能力があります。

人間は自分達に手出ししてこない=「守ってもらえる」ということで、人のいる場所を選んで巣を作ることがあるのです。

また、巣を作る場所には、日当たりと風通しが良いところを選ぶ習性もあります。

そして、巣立ちまでの約6週間は雨風にさらされないよう、雨を避けられる場所ということも重要です。

人が物件探しをする時の条件とも似ていて、面白いですよね。

実際、人の家の軒先で巣作りしているツバメも多く、家を貸す側の人間もツバメが巣立つまで、まるで家族のように温かく見守っているということもよくあります。